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執筆者の写真八戸工場大学

第2回講座 前半 高周波鋳造

更新日:2020年5月8日


 第2回目の八戸工場大学では、高周波鋳造(株)取締役本社工場長兼技術部長の種市 勉様に、「丈夫な部品をつくる鋳造技術」のテーマで講義をして頂きました。

 高周波鋳造さんは、昭和30年代まで八戸でも盛んだった砂鉄精錬から鋳鉄鋳物の製造へとシフトし、製品は建設機械・鉱山機械・産業機械・土木建築関係や船舶・車輌まで、さまざまな部品として使われています。分かりやすいところでは、日野・いすゞといったトラックに内蔵されるブレーキ部品の一部を製造しています。もっと身近なところでは、八戸公園(こどもの国)の「縄文なべ」も高周波鋳造さんで製造されたそうですよ。

 「鋳造」とはドロドロに溶けた鉄を型に入れて成型する方法で、複雑な形状を一発で成型できることが特徴です。通常の鉄や鋼は成分の99%が鉄であるのに対し、鋳鉄は成分の93%が鉄で、その他に炭素とケイ素が含まれています。

 丈夫な鋳物を造るには、製品に空洞や異物が残らないようにすること(専門用語で「方案設計」)が最も大事で、現在はコンピュータで温度の変化・溶けた鉄の流れ・ガスや膨張など、条件を変えてシミュレーションを繰り返しているそうです。

 種市さんは「鋳物は地味だけど産業を支える基幹産業で、ものづくりの難しさと面白さが味わえます」とお話されていました。

〜講師への質問コーナー〜 1)「高周波」という社名の由来は、何ですか? かつて「高周波重工業」という会社が「高周波電撃精錬法」を行っていたことの名残です。 2) 砂に鋳物の型をセットするとき、崩れてしまうことはないのでしょうか? 職人の技が発揮されるところで、上手に入れないと崩れてしまい、不良品になってしまいます。 3) スーパーカーのディスクブレーキって、いくらくらいするのでしょうか? 納入先の会社さんが製品として納めるので、ここでは分かりません。ゴメンなさい。

(助手 にしづか)

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