8月23日(水)、2017年度の八戸工場大学がスタートしました。
第1回は開講式のあと、現在臨海部で新しい発電所を建設中の八戸バイオマス発電(株)安藤祥一社長から「未来エネルギー“バイオマス発電”」のテーマでご講演いただきました。ここ数年、さまざまな発電方法が増える中で注目される「木質バイオマス発電」。日本では輸入木材が増える一方、国内の森林資源需要量・伐採量が減ってきた経緯と現状、八戸地方の林業や木材価格についてのお話、資源量・原料価格・環境税とのバランス(…とちょっと専門的なお話が続きました)、そしてバイオマス発電のメリットについて教えていただきました。
<質問コーナー> ①(親会社にあたる)住友林業さんは全国5カ所でバイオマス発電を手がけられているそうですが、八戸を選定された理由はなぜですか?また、新しく稼働するにあたって木材チップの確保はどうするのですか?
→発電所は水蒸気を発生させてタービンを回して発電することから、立地として広い工業用地と豊富な水を確保できることが重要です。チップは主に青森県内と岩手県北部から集めます。発電所のそばに約1万トン、他にも南郷に貯蔵場所が、そして既存のチップ工場の3カ所から確保します。
②発電するためには、ボイラーで蒸気を作るのですか?
→ボイラーは「循環流動層ボイラー」という、熱した砂で木材チップを乾燥させながら一緒に回転させ、蒸気を発生させることでタービンを回す方式です。発電効率は30%くらいになります。
その後、アドバイザーの菊地拓児さんから「工場とアート」について、北海道空知地方での炭鉱廃墟の造形美をきっかけとした産業遺産の歴史を掘り起こす活動、閉山によって失われた炭鉱街の風景から市民とアーティストが一緒にアートをつくる活動(アートプロジェクト)、そして2012年からの工場大学プロジェクトの歩みや「構造美」からアートをつくる今後の構想について説明していただきました。
最後にアイスブレイクワークショップとして、皆さんが「最近はまっていること」「工場大学で楽しみな講義や活動」についてグループごとにフリートークをしました。
(長くなってごめんなさい!助手/にしづか)