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  • 執筆者の写真八戸工場大学

第2回講座後半 工場とアート(菊地拓児)

更新日:2020年5月8日


 八戸工場大学2016の第2回講座が9月7日に開かれました。

 第2回目の講座の後半は、八戸工場大学アドバイザーの菊地拓児さんに「工場とアート 八戸が誇る工場力をアートを通じて発信したい」!と題してお話しいただきました。

 菊地さんは東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了。北海道教育大学岩見沢校芸術文化コース非常勤講師。炭鉱をはじめ鉱山や工場をテーマに創作活動を行っています。室長を務めるコールマイン研究室は各地でアートプロジェクトや展示を行い、新しいアートのあり方可能性を探っています。

【きっかけ】  先生が鉱山・炭鉱・工場に興味を持ったきっかけは、出身の札幌市郊外にある金属鉱山の選鉱所跡を16歳の時に訪れたこと。厳冬期の選鉱所跡は、天窓からつららが下がり、すき間から入った雪がオブジェのように積もり、割れた窓から差し込む光とともにアート作品のようにも見え衝撃を受けます。その後も、北海道空知に現存する炭鉱遺産(炭鉱の遺構)をフィールドに炭鉱・鉱山関係者への聞き取り・調査を継続的に実施し現状を紹介する写真展も開催しています。その活動は山口県のときわミュージアム・秋吉台国際芸術村の炭鉱の記憶リサーチなど他地域でも幅広くご活躍です。

 現在も構想3年、制作に4年を費やした、炭鉱町の風景をモチーフとした作品「北海道インプログレス三笠プロジェクト」で閉山による人口減で廃校となった体育館全面を使った作品を制作したり、作品完成後も、作品の管理や公開をはじめ新たなるプロジェクトのために新グッズやドキュメント展示などを実施中です

【八戸との関わりや八戸工場大学の歩み】  2009年から八戸市に通い2016年で7年目。2012年の「工場アート・トークカフェ」を経て、2013年より八戸工場大学のプロジェクトアドバイザー。

 2012年に「工場×アート」企画の実験&リサーチとして、工場を見学するツアーと、工場を観光・景観・アートの切り口から語り合うトークカフェを実施。工場をモチーフにしたお弁当やNSPタワー・ロータリーキルンのスウィーツが話題に。分科会では講師と工場好きの参加者が、工場の魅力を熱く語り合い手応えを得ます。

 2013年には八戸工場大学がスタート。八戸で操業する各工場(八戸製錬、東北グレーンターミナル、八戸セメント、三菱製紙)の協力により、工場を学ぶ講座を実施。ゲストアーティストによる、工場で製造される素材を用いたワークショップを実施。年末には活動の集大成として「文化祭」を開催。アーティストと受講生が共に作り上げました。

 2014年も引き続き工場を学ぶ講座を実施。JX日鉱日石エルエヌジーサービスさ んと共にアートプロジェクト「-162℃の炎を見よう」」も実施。屋上タンク庭園、カフェ、屋形船ツアー、アーティストとの徒歩ツアー、写真講座など盛りだくさんな内容で厳冬期に大勢の市民が訪れました。

 3年目となる2015年にはゲストアーティストに佐藤時啓先生をお招きし、「カメラオブスクラ」ワークショップや1年かけてリサーチとプランニングを進めました。

【工場×アート】 工場とアートがコラボレートした事例、かつて重工業地地帯として栄えたドイツのルールでのアートイベントやガスタンクをカメラとした作品、高圧洗浄機でダムに壁画を描いた事例などを紹介いただきました。

【まとめ】 菊地先生は「八戸には、大小様々な工場があり、講座を通じて工場が内に秘めた技術・取り組み・役割を学び、アートを通じて八戸ならではの魅力発見と発信をしていきたい。 ゆくゆくは世界でも類のない『工場とアートが本格的に交錯するプロジェクト』の実現や、他の工業都市とは異なる八戸独自の工場の魅力発信が出来れば」 と、講座を締めくくりました。

【今後】  翌日、菊地さんや佐藤時啓先生や他のスタッフとともに、今年のアートプロジェクト『虹色の狼煙』(仮称)の打診に八戸市内の工場を訪れ打ち合わせをしました。  工場の方々に、安全第一で生産性の向上がなにより求められる現場をアートプロジェクトのために貴重な時間を割いて案内していただきました。(わかりにくい)私たちの活動にも理解を示していただき本当に感謝です。今後プロジェクトが良い方向に進むといいなと思います。

(学長 おがた)

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