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  • 執筆者の写真八戸工場大学

2017年度第2回講義(前半) 他都市に学ぼう。工場夜景で地域活性 鷲見隆秀(富士工場夜景倶楽部)

更新日:2020年5月8日


2017年9月8日(金)の第2回講義。

前半では静岡県富士市の「富士工場夜景倶楽部」会長、鷲見隆秀(わしみ・たかひで)さんから「他都市に学ぼう『工場夜景で地域活性!』」のテーマで講義をして頂きました。

鷲見さんは写真集「工場萌え」をきっかけに、カメラで工場夜景を撮るようになったそうです。富士市は製紙業が盛んな地域で、工場夜景の写真で富士市の産業や企業をPRしようと、SNSで情報発信を始めました。そして「全国の工場夜景ファンやカメラファンを富士市に呼んでみたい」と思い立ち、仲間と富士工場夜景倶楽部を立ち上げ、徐々に活動がメディアで取り上げられるようになります。

平成25年には富士山がユネスコ世界文化遺産に登録されたものの、残念ながら富士市に構成資産はありませんでした。しかし全国のトイレットペーパー生産量の30%(!)を占める「富士山の豊富な湧き水で栄えた産業が文化遺産」として、地元商工会議所青年部を巻き込んで「産業の街・富士市」の情報発信をスタートさせます。

そして全国の工場夜景都市と交流するなかで、これまで街を支えた大手事業所の縮小(税収減や雇用問題)、かつての公害問題、名所が少なく観光客が通過するなど「地元に誇りが持てない」が共通した悩みとして浮上します。そこで各都市が連携して工場夜景をキーワードにお互いの魅力を発信する「シティプロモーション」が始まります。

富士市では、乗客数が減り続けていた地元私鉄・岳南(がくなん)鉄道と連携してライトアップした工場の敷地内をくぐり抜けるイベント列車などを走らせたところ、メディアの取材が来るようになりました。クルマ社会で全国の中小私鉄の8割が厳しい状況の中、乗客数が徐々に増加に転じ、富士市=工場夜景都市のイメージも高まってきました。

最後に、鷲見さんからは本業のツアーコーディネーターでの経験を踏まえ「地方の人は都会に新しさを求めているが、都会の人は地方に懐かしさを求めている」「都会の人にとっては、レトロな雰囲気が残る地方はそのままで観光地となる」とした上で、「工場夜景」をキーワードの1つとして地域の歴史・文化・産業の価値を見直し、いまある資源を活かすこと、自信と誇りを持って次世代に伝えていくことの大切さを教えていただきました。あっという間の熱い1時間の講義でした!

文・助手にしづか / 写真・助手やなぎまち

「富士工場夜景倶楽部」https://www.facebook.com/fuji.night.factory/ 「岳南鉄道サポーターズクラブ」https://www.facebook.com/gakutetsu.sc/?fref=ts

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