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執筆者の写真八戸工場大学

2017年度 課外活動 工場をこの目で見よう! 北日本造船

更新日:2020年9月3日


10月14日は課外授業として、北日本造船株式会社豊洲工場の見学をさせていただきました。

北日本造船株式会社は主にケミカルタンカー(化学物質をばら積みで運ぶために設計されたタンカー)を手がけていますが、冷凍運搬船やRO-RO船(車両を収納する車両甲板を持つ貨物船)等も手がけていて、そのほとんどが外国船籍となりすべてオーダーメイドにより作られます。

豊洲工場は平成25年に設立された新しい工場です。 長さ200mの艤装岸壁を持ち2隻同時に作る事ができます。 八戸市江陽にある本社で外装を組み上げられた船をこちらに運んできて内外を艤装して仕上げる工場です。

今回お邪魔したときには、3万5千トンと2万5千トンの二隻が並んでいて2万五千トンの船は完成後の走行試験を終えて前日入港したばかりだそうで何とも運がよかったです!

まず案内していただいたのはブロック工場のほうでした。 巨大なタンカーはブロック単位で作られそれを組み立てドックで溶接して作り上げます。 主にブロックを作っているのは岩手県久慈工場で、そこで作られたブロックは台船に乗せて運ばれてきて江陽の本社工場で船の形になります。

ブロック工場の前には50トンほどのブロックが置かれていて色々なパーツを取り付けています。 工場の中に入ると材料の鉄板が置かれていて数字や記号を見るとメーカーから船体のどの部分に使われるかまで分かるそうです。 その奥は鉄板をカットする工程を行う場所でカットする位置の印や指示が暗号のように書かれた鉄板が順番を待っています。

カットされた鉄板の切断面はとてもきれいです!数字や記号でどこのパーツか分かるのでしょうね! その奥は曲げ加工をする場所です。 船体は直線と曲線で出来ていますが、微妙な曲線は手作業で作り出しているのですね! まさに匠の技といった感じでバーナーとホースから出る水を巧みに操っていました。

50mm厚の鉄板もきれいに曲げています!ちゃんと曲がりが出ているかは型木を当てて調べます。 反対側では、ケミカル製品を入れる船倉を造っていて材料は錆や腐食に強いステンレスが使われていて強度を増すために波型に整形されています。 このようにたくさんの工程を経て船は作られている事が分かったところで実際に建造中の船の内部も見学させていただける事になりました。

見学したのは右側の昨日試験運行から戻ってきたばかりの2万5千トンの船です。 近くで見るととっても大きいです!そして高いです!タラップを上るとき足がすくみます! 上から見るとたくさんの配管が整然と張り巡らされていて配管好きにはたまらない光景でした! 途中で配管がコの字型に曲がっているのは、温度差や船体にねじれなどから配管を保護するためだそうです。

そういえば、LNGターミナルを見学したときも同じ様なことを聞いた気がします。

船首のほうまで行ってみんなで記念撮影もしました。

「せっかくなので操舵室や居住区そしてエンジンルームも見せたいと思います」との案内してくださった方の嬉しいお言葉に甘えて見せていただきました。 操舵室からの眺めは最高です! キャプテンの部屋は快適そのもの! 居住区は入り組んでいて迷子になりそうです(笑)

エンジンは大きい! 発電用のエンジンは予備も含め3機もありました。 まさか機関室まで見学させていただけるとは! 感謝感激でした!

ここで一通りの見学は終わりです。 一隻のタンカーを造るのがいかに凄いことなのかがよく分かるとともに八戸にこんな素晴らしい会社があることを誇りに思いました。

文・写真:助手 やなぎまち

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