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  • 執筆者の写真八戸工場大学

2018年度第1回講義 工場を知る①「工場を支える工場の仕事とは?」高橋製作所

更新日:2020年5月8日


6年目を迎えた八戸工場大学。11月14日(水)の第1回講義はオリエンテーションと8月に開催したアートプロジェクト「さよなら、ぼくらの大煙突」の振りかえり、そして工場を知るとして(株)高橋製作所・営業技術部の田中大志さんから「工場を支える工場の仕事」について教えて頂きました。(そして、会社から7人も聴講に来てくださいました。ありがとうございます!)

八戸市内の工場で働く人たちから「タカセイさん」の愛称で知られる高橋製作所さんは1946年創業。生産用機械器具や鋼構造物の建設工事を手がけています。新しい工場を作るときに必要なクレーン・ベルトコンベア・ダクト・タンクなどの設備、新しい機械を導入するときに据え置くための架台や配管・配線など、タカセイさんは大きな工場から要望を受け設計・製作を行う「縁の下の力持ち」です。

また、工場では1カ所でも操業が止まってしまうと、その後ろの工程が動かなくなってしまいます。お正月やお盆でもユーザーさんのトラブルにはすぐに駆けつけるそうで、円滑な工場操業には欠かすことのできない存在であることを知りました。

タカセイさんの技術で扱える製品サイズは青森県内最大規模、自社で可能な幅広いモノづくり(製缶・機械・組立)、製品の一生(設計、製造、据付・メンテナンス)を見守る一貫対応による技術のフィードバック、といった特徴があります。モノづくりには妥協せず、品質の高い溶接技術のために材料選び・温度・熱による変形を予測した溶接の順番…など、日々研究と挑戦を続けているそうです。

社員のことも大切にしており「安全と品質は、安心できる働き方から」ということで、有給休暇取得の促進や福利厚生施設として「タカセイフリーヤード」(沼館・ピアドゥ向かいのフットサルコート)など、働く人のモチベーションにも気を配っているそうです。

最後に経営者の視点から「地域工業のあり方」として、大きな工場から地元企業が仕事を受けたりメンテナンスで安定した利益を得ること、(すぐに駆けつけられる距離の近さなど)地域内で各企業が支え合うことで地域の活性化につながること、経済・雇用・技術の波及など、市民1人ひとりが意識・理解することによって効果は更に高まる(←八戸工場大学の活動が少し、お役に立てているでしょうか?)ことを教えて頂きました。

■質問コーナー Q.溶接のレベルには、どんなものがありますか? A.溶接にはアーク溶接・半自動溶接・パイプの溶接など、さまざまな種類があります。また、扱う鉄の種類や用途によっても使い分けがあります。キチンと溶接ができているか調べる「非破壊検査」もあり、溶接はとても奥が深い技術です。資格は鉄やステンレスなど、素材別に試験を受けて取得しますが、更新試験や競技会もあります。

Q.クルマの生産ラインではロボットが溶接をしていますが、そういった自動ラインを生産・提供することはありますか? A.ロボットは連続して製造することを得意とする一方、タカセイの得意技は鉄の塊など「1つひとつがオーダーメイドの特注品」です。

Q.これまで休日にユーザーさんに駆けつけた中で、苦労した例は? A.お正月やお盆など大型連休の時の呼び出しは、社員が出て来てくれただけで嬉しいです。

Q.「八戸のここがタカセイの製品だ!」という場所は? A.八戸市内で一番目立つのは、2年ほど前に東京鐵鋼八戸工場の屋根に取り付けた大きなダクトです。工事開始から完成まで約10カ月かかりました。

また、八戸市内の工場で働いていたことがある受講生は昔、ステンレス工場でタカセイさんが製造した天井クレーンの運転をしていたことがあり、作る人の話を聞くことができて嬉しかった、とのことでした。

その後「最近はまっていること」「工場大学で楽しみな講義や活動」のテーマでアイスブレイクワークショップを行いました。

次回(第2回)は12月に「工場短歌をつくろう♪」です。どんな短歌ができるでしょうか。楽しみです!

写真:やなぎまち/文:にしづか

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